セキセイインコを飼っていると、「ピルルル」「ギャーギャー」「ピーッ!」など、いろいろな声を出すことに気づきます。かわいい声もあれば、「これって普通?」「もしかして体調が悪いの?」「近所迷惑になっていない?」と不安になる声もあるはずです。
この記事では、セキセイインコの鳴き声を種類ごとに分けて意味を解説し、さらに「うるさい」と感じたときの具体的な対処法、注意が必要な鳴き声の見分け方まで、飼い主さんが本当に知りたい内容をまとめました。
セキセイインコはなぜ鳴くのか
セキセイインコは本来、群れで生活する鳥です。野生では姿が見えない仲間と鳴き声で位置を確認し合ったり、危険を知らせ合ったりしています。つまり鳴くこと自体は病気でも問題行動でもなく、仲間(飼い主も含む)とコミュニケーションを取るための自然な行動です。
そのため「鳴き声をゼロにする」ことを目標にするのではなく、「どんな意味の鳴き声か」を理解し、必要なところだけ対処するという考え方が大切です。
セキセイインコの鳴き声の種類と意味一覧
1. さえずり(本鳴き・ぐぜり):機嫌がいいとき
「ピルピルピル」「クチュクチュ」と、長く複雑なメロディーのように鳴き続けるのが「さえずり」です。生後4~6ヶ月頃のオスに多く見られ、リラックスしているときや機嫌がいいときに出ます。人の言葉を覚える前段階の「ぐぜり」もこの一種で、無理に止める必要はなく、機嫌がいいサインとして見守ってあげましょう。
2. 求愛の鳴き声:「ピュルピュル」「キュルキュル」
オスがメス(または鏡や好きなおもちゃ)に向かって、瞳孔を収縮させながら「ピュルピュル」と鳴くのが求愛行動です。頭を上下に振ったり、餌を吐き戻す仕草(給餌行動)を伴うこともあります。発情が強くなりすぎると体力を消耗したり、卵詰まり・過発情の原因になることもあるため、頻発する場合は日照時間を短くする、栄養価の高いおやつを控えるなど発情抑制の工夫も検討しましょう。
3. 呼び鳴き(コンタクトコール):「ピーッ」「ピリリ」
姿が見えない飼い主や仲間を呼ぶときの短く高い声です。本来は群れの中で無事を確認し合うための自然な行動ですが、「鳴けば構ってもらえる」と学習すると、要求のたびに大きな声で鳴くようになり、いわゆる「うるさい」トラブルの多くはこのタイプです。対処法は後の章で詳しく解説します。
4. 警戒・威嚇の声:「ギャッ」「ギィーッ」
驚いたときや、他の鳥・人に対して警戒しているときに出す、鋭く短い声です。しっぽを広げたり、羽を膨らませたりする仕草を伴うことが多いです。人の手や他のペットに対して出る場合は、無理に近づかず距離を取り、安心できるまで待つことがストレス軽減につながります。
5. 威嚇の連続音:「ギャーギャー」
怒りが強いとき、縄張りを主張するとき、ケージの掃除や爪切りを嫌がるときなどに出る、大きく連続した鳴き声です。無理に手を出さず、いったん離れて落ち着かせることが基本の対応になります。
6. 甘え鳴き:小さく短い「ピッピッ」
飼い主にかまってほしいとき、なでてほしいときに出す、比較的小さく穏やかな声です。呼び鳴きと似ていますが、こちらは要求というより甘えの延長にある声で、応じてあげることで信頼関係が深まります。
7. 恐怖・パニックの声:大きな「ギャー!」+暴れる動作
地震や大きな物音、猛禽類の影、来客など、強い恐怖を感じたときに出す悲鳴のような声です。ケージ内で暴れて羽をバタつかせることも多く、このパニック状態は骨折などのケガにつながることもあるため、ケージに布をかけて視界を落ち着かせるなど、すぐに安心させる対応が必要です。
8. 寝言・寝る前のつぶやき:「ギョリギョリ」「モゴモゴ」
夜、眠りにつく前や眠りながら小さく発する声です。安眠の準備をしているサインなので、静かな環境を保ち、そっとしておいてあげましょう。
9. お喋り・言葉の真似
オス・メスともに人の言葉や物音(電子音、他のペットの鳴き声など)を覚えて真似することがあります。個体差が大きく、覚えない子も珍しくありません。教える場合は、同じ短いフレーズを穏やかなトーンで繰り返し聞かせるのが基本です。
オスとメスで鳴き声は違う?
一般的にオスの方がさえずりやお喋りが得意で、鳴く頻度・音量ともに多い傾向があります。メスは比較的鳴く頻度が少ない個体が多いですが、繁殖期には巣箱を探すような行動とともに鳴くことがあります。ただし性格差も大きいため、あくまで傾向として捉えてください。
セキセイインコの鳴き声が「うるさい」ときの対処法
呼び鳴きや威嚇の声が続いて困っている場合は、以下の方法を試してみてください。
① 鳴いている間は反応しない・鳴き止んだ瞬間に構う
呼び鳴きに対してすぐ駆け寄ったり、大声で「静かに!」と言い返したりすると、「鳴けば構ってもらえる」と学習を強化してしまいます。鳴いている間はあえて視線を合わせず、静かになった瞬間に声をかけたり、おやつをあげたりすることで、「静かにしていると良いことがある」と学習させましょう。効果が出るまで数週間かかることもあるため、根気よく続けることが大切です。
② 構ってもらえる時間をあらかじめ十分に確保する
放鳥時間やスキンシップの時間が足りていないと、要求鳴きが増える傾向があります。決まった時間に放鳥する、話しかける時間を作るなど、生活リズムを整えることで呼び鳴き自体が減ることがあります。
③ 早朝・夜間の鳴き声にはケージカバーと光の管理
日の出とともに鳴き始めてしまう場合は、就寝時にケージ全体を厚手の布で覆い、光や物音を遮断しましょう。朝は決まった時間までカバーを外さないようにすると、体内時計が整い、早朝の大声を抑えやすくなります。1日の睡眠時間は10~12時間程度を目安に確保すると、情緒も安定しやすくなります。
④ 発情由来の鳴き声には生活環境の見直しを
求愛の鳴き声や威嚇が頻発する場合、発情が関係していることがあります。日照時間を12時間程度に抑える、高カロリーなおやつを減らす、体をこすりつけられるような狭い隠れ場所(巣になりやすい場所)を撤去するなど、過発情を防ぐ環境作りも有効です。
⑤ 集合住宅などで音量そのものが心配な場合
セキセイインコの声は小型犬の鳴き声程度の音量になることもあります。防音カーテンの設置、ケージの設置場所を窓や壁際から離す、遮音効果のあるケージカバーを使うといった工夫で、外に漏れる音を軽減できます。
要注意!体調不良や病気のサインかもしれない鳴き声
以下のような場合は、通常の感情表現ではなく体調不良のサインである可能性があります。早めに鳥を診察できる動物病院に相談しましょう。
- 鳴き声がかすれる、いつもよりか細い
- 鳴こうとしても声が出ていない
- ぐったりして鳴く元気もない(普段より鳴く回数が極端に少ない)
- 鳴きながら呼吸が荒い、尾羽を上下に激しく振っている
- 鳴き方に加えて、羽を膨らませてじっとしている、餌を食べない
「いつもと違う」という飼い主さんの違和感は、体調変化にいち早く気づくための重要なサインです。判断に迷う場合も、様子を見すぎず早めに受診することをおすすめします。
よくある質問(Q&A)
Q. セキセイインコが夜中に突然鳴くのはなぜ?
A. 物音や光、地震などに驚いてパニックになっている「夜驚症」の可能性があります。部屋を真っ暗にしすぎず、常夜灯などをつけておくと落ち着きやすくなります。頻発する場合は設置場所や周辺環境の見直しを検討してください。
Q. セキセイインコの鳴き声を完全に止めることはできますか?
A. 鳴くこと自体は自然な行動のため、完全にゼロにすることは難しく、また目指すべきではありません。目標は「過剰な呼び鳴きや威嚇を減らす」ことに設定し、無理のない対処を続けましょう。
Q. オスとメス、どちらが鳴き声が大きいですか?
A. 一般的にオスの方が鳴く頻度・お喋りの得意さで勝る傾向がありますが、個体差が大きく、メスでも大きな声で鳴く子もいます。
Q. うちの子だけ鳴き声が大きい気がします。個体差はありますか?
A. あります。性格、育った環境、飼い主とのスキンシップ量によって鳴き方には大きな個体差が出ます。他の子と比べすぎず、その子自身の普段の様子を基準に変化を観察することが大切です。
まとめ
セキセイインコの鳴き声には、さえずり・求愛・呼び鳴き・警戒・威嚇・甘え鳴き・恐怖の声・寝言・お喋りなど、それぞれ明確な意味があります。「うるさい」と感じる呼び鳴きや威嚇の多くは、反応のしかたや生活リズムの見直しで軽減できるケースがほとんどです。一方で、声のかすれや元気のなさを伴う場合は、体調不良のサインである可能性もあるため、早めに動物病院へ相談しましょう。
鳴き声の意味を正しく理解することは、セキセイインコとの信頼関係を深める第一歩です。日々の変化に耳を傾けながら、快適な暮らしをサポートしてあげてください。

